裁判傍聴②20160901(覚せい剤中心)その1
今日は有給を取ってお休みだったのですが、特に予定も無かったし晴れていたので裁判傍聴しに行ってきました。
と、海外にいる友人に言ったら「やっぱ変人やな」って言われました。
そんなことない。
周りに同じような人が居ないだけで、平日休みの日に傍聴言ってる人って結構いると思う!
・・・多分!!
さて、9月は裁判員裁判が立て込んでいるようなのですが、今日は裁判員は無いので、普通の裁判。
金属探知機入る前に既にポッケの中から携帯やら鍵やら取りだしてスタンバイしてる自分に「手慣れてきたなあ・・・」と思い入所。
10時をちょっとすぎてしまったので、何かいいの無いかな~と思って今日の予定表をパラパラ見ていたら・・・
おお!!こないだ見てファンになった裁判官のがある!!
室橋さんという人なのですが、この人、見た目はおじさんですが声は結構高めで聞きやすいし、被告にもわかりやすいような言葉で話してくれるので、聞いてるこっちも理解しやすいのです。
そして、結構喜怒哀楽がよく出るというか。
裁判官って基本淡々としてる人が多いのですが(自分が見る人がそういう人が多いだけかも)、室橋さんは表情も豊かなので、ちょっとドラマちっくな裁判になるんじゃないかってワクワクしてしまいます。
この人の公判は午後に2回(新件と判決)。
室橋さんの新件は覚せい剤だったので、今日は覚せい剤取締法違反多めでいこうと決め、午後3時からの覚せい剤(審理)もチェックして、10時15分からの「逮捕監禁」を見ることに。
この「逮捕監禁」って初めてだったので、どんなのかちょっと期待しながらエレベータを上がりました。
① 10時15分 逮捕監禁(審理)
結論からいうとこれは外れでした。
入室したところすでに始まってましたが、広い部屋の割に傍聴人は3人。
しかもさっそく非公開?の話し合いが始まるようで、傍聴人は追い出されました(丁寧にね)。
非公開で話し合いとかもあるんですね。一体どんな案件だったんだろうか。
裁判官は今井理さんて方で、見た目は若かったです。
②10時30分 覚せい剤取締法違反(新件)
「んだよ~時間空いちまったよ」と幸先悪いことを不運に思いつつ、10時30分から覚せい剤取締法違反があることもしっかりチェックしてたので、この部屋に行くことに。
まだ空いていないようだったので待合室に行ったら
「・・・知り合い?」「ううん知らない」
というひそひそ声。
俺のこと??と思いつつ知らんふりして席に座り、携帯イジイジ。
関係者かな?と思っていたら案の定弁護士みたいな人が来て3人(男女+弁護士)で話し始めました。
悪かったね、知り合いじゃなくてw
聞き耳立てていると(野次馬根性)、弁護士と最後の打ち合わせして、水飲んで気持ち落ち着かせていたので、証言人でもやんのかな~と思いました。
開廷中となったので、傍聴席に座り待機。
部屋は4列で中くらいの部屋。
さっきの男女も弁護士と一緒に入ってきたので、やっぱり被告の情状酌量陳述すんだろな~と思っていたら
男性の方が被告席に座りました。
まさかの被告人。
のちのち裁判の中でわかるのですが、保釈中なので手錠も腰縄も拘留もなく、とりあえずは普通に生活して、弁護士と一緒に部屋にやってきたのです。
へ~、そういうケースもあるのですね(まだまだビギナー)。
さて、開廷。
内容としては、もともとドランカーで2週間帰らないということがたびたびあった被告。
ある日、お酒を飲んで酩酊状態な上に右半身を大けがして帰宅。
一向に治る気配も無く体調もすぐれないというので大学病院で検査をしたら緊急手術。
その中で、ケガの膿の状態が薬物利用者の状態と酷似していたのを不審に思った医者が尿検査を行ったところ薬物反応が出た。
本人と奥さん(さっきの女性)に警察に通報してもよいか、と確認したら、本人たちが同意したので警察に提出。後日、任意同行の上逮捕となった。
医者は「必ずしも警察に提出しなくちゃいけないということは無い」と言ったらしいですが、「やましいことは一切ない。しっかり調べてほしい」と思い、提出に同意したそうです。
これまた珍しいケースな上に、好感持てますね。
正直者が馬鹿を見ない世の中になってほしいと思いました。
じゃあ、どこで薬物を摂取したのか??
これについては、本人はアルコール依存症でたびたび酩酊状態になるので、覚えていないそうです。
なので、薬物反応が出たことは認めるが、自らの意志で摂取したのは同意しない、とのこと。その上で無実を主張する。
ここで、ちょっとしたイザコザが。
奥さんである女性の情状酌量証言も弁護側は求め、すでに来てもらっているのですが(さっきの女性)、
裁判官「最初から無実主張するのに、情状酌量って順序おかしいでしょ」
・・・確かに。
検察官「いやまあ、来てもらったんなら拒否はしませんけど・・・」
って感じで、何かしぶしぶ情状酌量証言認めてました。
この裁判官は家令(読み方わからん)さんって人で、ちょっと突っ込みが厳しそうな人でした。今後この人もチェックしていこうと思います。
奥さん、綺麗な人でした。
感想そこかよ。
話し方もクリアだし、旦那被告の事を本当に気遣ってるのがわかりました。
「もう絶対に酒は飲ませない」と宣言し、「けじめのない優しさは甘えでしかない」という名言もいただきました。
俺「酒依存症から早く脱して、幸せになってほしいですね・・・(キラ)」
と思いながら、ちょっと飛ばして検察官による被告人尋問。
検察官は2人いて、一人は結構突っ込みしそうな人だったので期待してたのですが・・・
話し始めたら、意外とそうでもない。
・・・
なんでだよ。
もっと突っ込めよ。
ドラマ見せてよ!
グイグイいけよ!!
もっと激しいの見せろよ!!
何期待してんだ俺!!!
と、思っていたら、被告に対してちょっと突っ込んでくれました。
やったぜ検察官!(性悪)
被告人は捕まる前にメールを数通削除しているですが、その削除したメールは「仕事上のもので、必要ないから削除した」「複数人とやりとりしたもの」と言っていたのですが、
検察官の調べでは、その消されたメールは特定の一人とやりとりしたものだったそうです。
そこはすでに調べがついているのか検察はそれを何度も主張するのに、被告人はあくまでも「複数人とのやりとり」と証言。
おや??
最終的に、検察官はその特定の一人の名前を出し、その人は被告の友人で、しかもその人は過去に覚せい剤取締法違反の前歴があったそう。
かなり怪しいやん。
仕事上の相手でも無いし、複数人でもない・・・
弁護士の表情からは読み取れませんでしたが、これは被告チーム(特に弁護士)は把握していたんでしょうか。
そして、なぜにそこまで被告は「複数人」を主張するのでしょう。
検察の話しぶりでは、すでにメールの内容までも調べはついていそうでしたが。
・・・もしや庇ってる??
という邪推はもちろんしてしまいますよね。
きっと、薬物はこの特定の友人から接種されたんでしょうと推測。
お酒の最中に、飲み物に薬を入れられたのか、勧められて自ら飲んだのか。
それともはたまた、全然別のところで接種したのか。
事実は、現段階ではわかりませんし、はっきりなるかも不明です。
次回も審理になるようです。
被告はすでに保釈中なので、裁判は長引いても影響は多少軽減されるでしょうが、でもやっぱりもやもやした状態で過ごすことになるでしょうね。
ちょっと最後に謎が残る裁判で、久しぶりに結構面白い裁判でした。
よく見たら被告も彫りの深いダンディな人でした。
覚せい剤が体内にあったってことは事実なんだし、それはもうそれとして、今後はもうお酒は飲まずに奥さんと子供を幸せにしてやってください。(何様)
さて、午後はいよいよ期待の室橋裁判官なのですが、長くなったので午後の公判は次回にします。
こんなに長くなるとは思ってもなかった・・・